読み書きの困難はなぜ起こるのか

学習障害(LD)の人たちは読み書きが全くできないというわけではありませんが、読み書きという一連の作業の中で何らかの苦手さを抱えています。しかし、その原因は人によって異なります。

今日は読み書きの困難さの原因と考えられることについて紹介します。

1)音韻意識の弱さ

音韻意識の弱さは読み書きの困難さの中心的な背景にあるものと考えられています。音韻意識とは、音のイメージを持つことです。「み」という文字を見たらすぐに“み”という音が浮かぶこと。

LDの人たちの多くは字と音を結びつけることに困難さがあります。

その結果、単語や文章を見たときにそれが頭の中で音に変換されないため、
正しい読み方わからず、書き起こすのにも時間がかるのです。

2)視覚認知の偏り

視覚認知の偏りには大きく2つに分けられると考えられています。

1つ目は、「ひらがなの単語をまとまりとして読むことの弱さ」

2つ目は、「形や位置を捉えることの弱さ」です。

子どもの読み書きに読み間違いや見落としが多い場合には、その背景に視覚認知のどちらかの偏りがあるのか、しっかりと把握する必要があります。

3)聴覚認知の偏り

読み書きに聴覚は関係ないと思われるかもしれませんが、実は大いに関係があります。

声を聞き取ることが苦手なため、文字を耳で覚えられ図、言葉の習得が遅れて読み書きに困難さが生じるケースもあるのです。人の話を生活音などと区別すること、発音された通りに聞き取ることが苦手。人の話や自分の発言を覚える「聴覚記憶」の弱い。こんなケースもあります。

聴覚認知に偏りのある子には、聴覚以外で単語の読み方や文章の内容が理解できるような学習方法で支援する必要があります。

4)記憶の弱さ

教えてもらったことが知識として定着しにくい場合、記憶力の弱さが関連している可能性があります。特に感じを読むことが苦手な場合、ワーキングメモリの弱さが原因として考えられます。

ワーキングメモリは、物事を一時的に覚えて使うための機能です。この機能が弱い子は、読み書き一度教えてもらっても、それを反復して使うことが困難です。そのため、教わったことが定着しづらいのです。

5)論理的思考力の弱さ

文字や単語は読むことができるにも関わらず、文章の要点を掴むことができず、「読めない」という評価を下されてしまうケースも存在します。

このタイプの子は、音読はできるにも関わらず、読んだ内容について聞かれてるとうまく答えることができません。

6)語彙の不足

学習障害の子どもたちの読み書きは、この語彙の不足が一つ原因として考えらえているからです。つまり使いこなせる言葉が少ないということです。

学習障害の子どもたちは、読み書きが苦手なため、語彙が増えにくく、それがますます読み書きの苦手さに拍車をかけてしまいます。

また、文字の形と音は識別できるけど、意味を合わせて理解ができないというケースもあります。

このような問題を解決するためにも、適切な支援を行なって語彙を補い、悪循環を断ち切る必要があります。

7)部品意識の弱さ

かなも漢字も、いくつかの部品からできているものがほとんでです。その部品を意識することや記憶することが苦手な子もいます。

かなも漢字もそれなりに扱えるケースが多いため、読み書きが苦手に見えないこともあります。しかし、文字を正確に習得することが難しく、書き損じが多いことがあります。

以上が読み書きの困難さの原因として考えられていることです。それぞれ原因は異なりますが、本人の努力不足によって読み書きの困難さが生じているわけではないという点は共通です。それぞれの原因を正確に把握し、適切な学習支援がいずれも必要になります。

次回は具体的な支援方法について取り上げます。

新井清義

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