LD(学習障害)と認知機能

発達障害は脳機能の偏りによって引き起こされます。その結果、見聞きしたものを理解し、記憶する、過去の経験に照らして計画を立てて行うといった「認知機能」に何らかの偏りが存在します。

 このような認知機能の偏りにより、健常児が苦労なく習得できるスキルを身につけることに困難が生じます。日常生活の中でコミュニケーションがうまく取れず、場所によって適切な行動が取れないのはこれが原因です。

 認知機能の偏りによって引き起こされるのは「学習面」でも同じです。2012年、文部科学省は発達障害に関する調査の結果(*)を発表しました。調査によると、小中学校の通常学級に通う子どもたちの2.4%が読み書きに著しい困難を示していることがわかりました。一方、異なる結果を示した調査もあります。小学2年生から6年生までの子ども1000人に漢字のテストや読み書きの検査を実施した研究では、漢字の読みで約10%、漢字の書きで約30%の子がすでに習った字の読み書きに苦労していることがわかりました。読み書きに困っている子どもの割合は全体の10〜30%程度存在する可能性があります。

*文部科学省初等中等教育局特別支援教育課「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」より。

発達障害の中でも学習面の困難さを示す状態を学習障害(LD)といいます。LDには全般的な知的発達の遅れがあるわけではありません。それにもかかわらず、読む、書く、計算するという能力のいずれかに困難が見られ、学習に困難さを示します。

LDの子どもたちの学習の困難さは先天的な脳機能の偏りによって引き起こされるものです。本人の努力不足や保護者のしつけの問題でもありません。

日本では「学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。」と文部科学省によって定義されています。 

通常学級で行われている画一的な学習方法によってLDの子どもたちの学力や読み書きの力を伸ばすことは困難です。LDの子が一人ひとりどのような困難さを持っているのか、どのような背景によって学習の困難さんが引き起こされているのかを把握し、適切な支援を施さなければなりません。

 何の支援もなく、できるようになるまで反復練習をさせるような教育では効果が見られないどころか、むしろ逆効果です。その子にとって苦手な学び方を繰り返しても学習の成果を得ることができず、「努力してもうまくいかない」という学習性無力感を抱くことになります。

つまり、通常学級の画一的な教育ではなく、その子に特性に即した適切な支援が必要になるということです。

新井清義

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